革靴を選ぶ際、「余裕を指一本分みる」というアドバイスはよく耳にしますが、これは必ずしも全ての人や靴に当てはまるわけではありません。
革靴のフィット感は、履き心地や歩きやすさ、靴の寿命に大きく影響を与えるため、慎重に選ぶことが大切です。
以下に革靴選びの際に指一本分の余裕を考慮するかどうか、また、理想的なフィット感について詳しく説明します。
指一本分の余裕の意味
「指一本分の余裕」というのは、靴を履いた状態で足先と靴のつま先の間に約1cmほどの余裕を持たせるという意味です。
この余裕は、以下の理由から推奨されています。
- 足が膨張する余裕:一日中歩いたり立ったりしていると、足は自然とむくんで膨張します。このため、朝靴を試着する際にぴったりな靴でも、夕方には窮屈に感じることがあります。指一本分の余裕があると、この足の膨張に対応できます。
- 歩行時の動きに対応:歩く際、足は前後に動きますが、つま先部分に余裕があることで、歩行時の負担が軽減され、爪先が靴に当たることによる痛みや摩擦を防ぐことができます。
革靴はフィット感が大切
革靴の選び方では、一般的なスニーカーやカジュアルシューズよりもフィット感が重要視されます。
その理由は、革が伸びやすく、履き慣らしによって足に馴染んでくるからです。
革靴は時間と共に少し緩くなるため、最初はややタイトに感じるくらいが理想的です。
- 指一本分の余裕は人による:一般的に、指一本分の余裕はカジュアルシューズでは快適ですが、革靴の場合、過度な余裕があるとフィット感を損ね、足が靴の中で動きすぎることがあります。結果的に、足が疲れやすくなったり、靴擦れが起こったりします。
適切なフィット感の目安
革靴選びで指一本分の余裕があるべきかどうかは、次のポイントを参考にしてフィット感を確認しましょう。
長さ(つま先の余裕)
- 余裕を少し残す:つま先には少し余裕が必要ですが、指一本分も必要ない場合があります。特にドレスシューズやオックスフォードのようなフィット感が求められる靴では、つま先部分の余裕はほんの数ミリでも十分です。つま先に余裕がありすぎると、歩行中に足が前後に動いてしまい、靴擦れや不快感を引き起こすことがあります。
- タイトすぎない:逆に、つま先が詰まりすぎると、爪先が圧迫され、痛みやトラブルの原因になります。軽く指が入るか、または指一本入る程度の余裕がベストです。
幅(横幅のフィット感)
- 足にしっかりフィットしていることが重要:横幅がぴったりフィットしていることが重要です。革靴は、足の幅にフィットすることで、靴が履きならされる過程でさらにフィット感が高まります。最初に少しタイトに感じても、幅に適度なフィット感があれば、履きならしていくうちに快適になります。
かかとのフィット感
- かかとは動かないこと:かかとがしっかりホールドされていることも重要です。革靴を履いて歩いてみて、かかとが靴の中で上下に動くと、靴擦れの原因になります。かかとにしっかりフィットしていることを確認しましょう。
革靴選びの際の試着方法
靴選びにおいて、試着は非常に重要です。
試着する際に以下のポイントに注意してください。
- 試着は午後に行う:足は朝よりも午後のほうが少しむくんで大きくなるため、午後に靴を試着することが推奨されます。これにより、長時間歩いたり、立っている時に感じるフィット感を正確に確認できます。
- 靴下を履く:普段履く靴下と同じものを履いて試着しましょう。靴下の厚さが変わると、靴のフィット感にも影響を与えるため、普段履くものと同じ靴下を使うことが重要です。
- 歩いて確認:必ず靴を履いた状態で歩いてみて、つま先、かかと、横幅のフィット感を確認してください。つま先が圧迫されていないか、かかとが浮かないか、全体的に快適かどうかを確認します。
革靴の履き慣らし期間
革靴は、購入後すぐにぴったりとフィットするものではありません。
少しタイトに感じても、履き慣らし期間を経て足に馴染むことで、より快適なフィット感になります。
- 履き慣らしのポイント:
最初の数日間は短時間履くようにし、徐々に履く時間を延ばしていきましょう。これにより、革が足の形に馴染み、最適なフィット感が得られます。
まとめ

革靴選びにおいて「指一本分の余裕」が必要かどうかは、靴のデザインや個々の足の形によって異なります。
つま先に適度な余裕を持たせつつも、全体的には足にしっかりとフィットする靴を選ぶことが理想的です。
特に革靴は、時間をかけて履き慣らしていくことで足に馴染むため、最初に少しタイトに感じるくらいが良い場合もあります。
試着時のフィット感と履き慣らしのプロセスを大切にし、快適で長く愛用できる一足を見つけてください。
以上、革靴選びの際は指一本分の余裕をみたほうがいいのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。