革靴が変色する原因はいくつかあります。
革は自然素材であり、環境や使用状況によって影響を受けやすいため、さまざまな要因で色が変わることがあります。
以下に革靴の変色の主な原因とその詳細を説明します。
目次
紫外線(UV)による影響
- 直射日光に長時間さらされると、革の色が変わりやすくなります。特に黒や濃い色の靴は、紫外線の影響で色あせたり、茶色や赤みを帯びたりすることがあります。これは革の染料が紫外線により分解されるためです。
- 靴を窓際に置いておくだけでも、部分的に日光が当たるとその部分だけが色あせることもあります。このような部分的な変色は、日光の当たる場所に長時間置くことを避けることで防ぐことができます。
水分や湿気の影響
- 水濡れは革靴の色に大きな影響を与えます。雨や雪などで革が濡れると、水分が革に浸透し、色が変わることがあります。特に、乾燥させる際に急激に乾かしたり、自然乾燥が不十分だった場合、革が硬化したり、ムラになって変色することがあります。
- 湿気も影響を与えます。湿度の高い場所で保管すると、革がカビや菌にさらされやすくなり、変色の原因となります。これを防ぐためには、靴を湿気の少ない通気性の良い場所で保管することが重要です。
汗や皮脂による影響
- 足から出る汗や皮脂が革に染み込むことで、色が変わることがあります。革は吸湿性があるため、長時間履いていると足の汗や油分が革に浸透し、時間とともに変色を引き起こします。特にインソールや履き口など、足に直接接触する部分で変色が目立つことがあります。
- これを防ぐには、靴を定期的に休ませて乾燥させることや、インソールを取り外して手入れを行うことが効果的です。
靴クリームやケア用品の使用ミス

- 間違った靴クリームやケア用品の使用も、変色の原因になります。特に、色付きの靴クリームを無色の靴に使用すると、クリームの色が革に定着してしまうことがあります。また、質の低いクリームやオイルを使うと、革の本来の色を損ねてしまうこともあります。
- また、過剰なオイルの使用も注意が必要です。オイルを多く使いすぎると、革が柔らかくなりすぎて色が濃くなったり、逆に変色してしまうことがあります。使用するケア用品は、靴の素材に合ったものを選び、適量を守ることが大切です。
化学物質や汚染物質による影響
- 化学薬品や汚れが革に付着すると、変色が起こることがあります。たとえば、革靴に清掃用の洗剤や漂白剤が付着すると、革が化学反応を起こし、色が落ちたり変わったりすることがあります。
- また、空気中の汚染物質(排気ガスやホコリ)に長時間さらされると、革が汚れて黒ずんだり、変色したりすることがあります。外出後は靴を軽く拭くなどして、汚れが定着しないようにすることが大切です。
酸化による変色
- 革は酸化することで色が変わることがあります。特に、ナチュラルな色の革やオイルレザーは、空気中の酸素と反応し、時間とともに色が濃くなる傾向があります。これは自然なプロセスであり、必ずしも悪いことではありませんが、色の変化が気になる場合は、定期的なケアで酸化を遅らせることができます。
カビや菌の影響
- 湿度の高い環境で革靴を保管していると、カビや菌が繁殖し、革にシミや変色を引き起こすことがあります。特に湿気が多い季節や、通気が悪い場所で保管すると、カビが生えやすくなり、見た目が損なわれます。
- カビを防ぐためには、靴を使用した後はしっかりと乾かし、シューキーパーを使って型崩れを防ぎつつ通気を良く保管することが必要です。
革の品質や染色の問題
- 革の品質や染色方法自体が変色の原因となる場合もあります。低品質の革や、不均一な染色が施されている革は、使用や経年によって色ムラが生じやすくなります。また、革の種類によっても、経年変化の仕方が異なります。たとえば、植物タンニンで鞣された革は、時間とともに色が濃くなる傾向が強いです。
変色を防ぐための対策
革靴の変色を防ぐためには、以下の対策を行うことが効果的です。
- 直射日光を避けて保管する。特に、日光が当たらない涼しい場所で保管する。
- 適切なケア用品を使用する。無色のクリームや、革に適したオイルを使い、過剰な量を使わないようにする。
- 湿気対策を徹底する。使用後は風通しの良い場所で乾燥させ、湿度の高い場所ではシリカゲルなどの乾燥剤を使用する。
- こまめに手入れを行い、汚れや化学物質が革に付着しないようにする。
革靴の変色は避けられない部分もありますが、定期的な手入れと適切な保管方法を守ることで、長期間美しい状態を保つことができます。
以上、革靴が変色した時の原因についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。