革靴の長期保管には、靴の状態を良好に保ち、経年劣化や変形を防ぐためにいくつかの注意点が必要です。
以下に、具体的な手順とアドバイスを詳しく解説します。
目次
クリーニングとメンテナンス
革靴を長期保管する前に、必ず靴を徹底的にクリーニングし、保湿や保護を行う必要があります。
- 汚れの除去: ブラシや柔らかい布を使用して、表面の汚れや埃を取り除きます。特にソール部分や縫い目に詰まった汚れにも注意が必要です。
- クリーナーの使用: 革専用のクリーナーを使用して、皮革にこびりついた油や古いワックスを落とします。これにより、保湿剤やオイルがしっかり浸透しやすくなります。
- 保湿: 革は乾燥するとひび割れたり硬化するため、革専用の保湿クリームを塗布して保湿します。特に、長期間保管する場合は念入りに行うと良いでしょう。
- ワックス・防水処理: 革を保護するために、適度にワックスを塗るか、必要に応じて防水スプレーで防水処理を施します。
シューツリーの使用

革靴が長期間保管されている間に、形崩れを防ぐためにシューツリー(靴型の中に入れる木製のアイテム)を使用することが非常に重要です。
シューツリーは、靴のシワやたるみを防ぎ、吸湿性のある木材(通常は杉や桜)が靴内の湿気を吸収する役割も果たします。
- 木製シューツリーを推奨: プラスチック製のシューツリーも存在しますが、木製の方が湿気を吸収してくれるため、長期保管には最適です。
- サイズに合ったものを使用: 靴に適したサイズのシューツリーを使うことが重要です。サイズが合わないと、逆に革が伸びすぎてしまったり、変形の原因になる可能性があります。
保管場所の選定
革靴は温度や湿度に敏感ですので、保管場所には特に注意が必要です。
- 直射日光を避ける: 革は紫外線により色褪せたり硬化するため、直射日光が当たらない場所に保管します。
- 適切な温度と湿度: 革は湿気に弱いので、湿度が高い場所は避け、乾燥しすぎない環境に保管するのが理想的です。湿気が多い場所では、除湿剤やシリカゲルを靴箱に入れると効果的です。
- 空気の循環を確保: 完全に密閉された場所での保管は避け、ある程度空気の循環がある場所に保管することをお勧めします。通気性の良い布製の靴袋に入れて保管するのが理想的です。
定期的な点検と手入れ
革靴を長期間保管する場合でも、数ヶ月ごとに取り出して点検し、必要であれば軽く手入れを行うことが大切です。
- 湿気やカビの点検: 靴を確認し、カビが発生していないか、湿気がこもっていないかを確認します。カビが見つかった場合は、すぐに専用のカビ取りクリーナーを使用して除去します。
- 通気: 定期的に靴を外に出し、数時間ほど空気に晒して湿気を飛ばします。直射日光は避け、風通しの良い日陰に置くと良いです。
湿気対策
湿気は革靴の劣化を招く大きな要因の一つです。
カビの発生や革の変質を防ぐために、以下の対策を行いましょう。
- 除湿剤の使用: 靴の保管場所に除湿剤を置き、湿度が上がりすぎないようにする。
- 新聞紙の活用: 靴の中に新聞紙を詰めておくと、余分な湿気を吸い取ってくれますが、定期的に交換する必要があります。
- シリカゲルの使用: 革靴の箱の中にシリカゲルを入れて湿気を防ぐことも効果的です。
革靴専用袋や箱で保管
長期保管時には、革靴専用の布製袋に入れたり、靴箱で保管することが推奨されます。
- 布製の靴袋: 通気性のある布製の袋を使用することで、ホコリや汚れを防ぐだけでなく、革が呼吸できる状態を保つことができます。ビニール袋は避けてください。湿気がこもりやすく、カビの原因になります。
- 靴箱に保管: 靴箱に入れて保管する場合は、適度に空気の流れを確保するため、靴箱を少し開けておくか、穴をあけて通気性を高めると良いです。
防虫対策
革靴は虫にも狙われやすいので、長期保管する際には防虫対策も重要です。
- 防虫剤の使用: 防虫剤を靴箱や保管場所に入れておくと、革靴を虫食いから守ることができます。ただし、防虫剤が直接靴に触れないように注意してください。
まとめ

革靴の長期保管は、適切なメンテナンスと環境の管理が必要です。
クリーニング、保湿、シューツリーの使用、適切な保管場所の選定、湿気やカビの対策を徹底することで、靴を良好な状態で長期間維持することが可能です。
また、定期的な点検と手入れを忘れずに行うことで、保管中も靴の品質を保つことができます。
このような対策を取ることで、革靴の寿命を大幅に延ばし、いつでも最適なコンディションで履き続けることができるでしょう。
以上、革靴の長期保管についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。