革靴に切り傷が入った場合、適切な対処をすることで、傷を目立たなくしたり、靴の寿命を延ばすことができます。
以下に、革靴にできた切り傷の対処方法をステップバイステップで詳しく説明します。
切り傷の程度を確認する
革靴の切り傷には軽度の表面傷から深い切り傷まで様々な程度があります。
まずは傷の深さを確認しましょう。
- 軽度の表面傷:革の表面に浅い傷がついている状態で、革の下地が見えていない。
- 中程度の傷:革の表面が少し削れており、下地がわずかに見えるが、穴は開いていない。
- 深い傷や穴:革が完全に切れてしまい、穴が開いている、もしくは深い亀裂がある。
軽度の表面傷の修復方法

表面に浅い傷がある場合、簡単な手入れで目立たなくすることが可能です。
レザークリームで保湿する
まず、レザークリームを使って革に潤いを与えます。
以下の手順で行います。
- レザークリームをクロスに取り、軽く擦り込む:クリームを柔らかい布に少量取り、傷の周りに円を描くようにして塗り込みます。これにより、革が柔らかくなり、傷が目立たなくなる場合があります。
- クリームを浸透させてからブラッシング:クリームが革に浸透したら、馬毛ブラシで軽くブラッシングしてツヤを出します。
カラーレザークリームで色補正
傷が色褪せを引き起こしている場合、カラーレザークリームを使用して色を補正します。
靴の色に近いクリームを選び、薄く塗り重ねることで、傷をカバーします。
中程度の傷の修復方法
革の表面が削れている場合は、少し手の込んだ修復が必要です。
レザーコンディショナーで柔らかくする
傷の周りにレザーコンディショナーを塗布し、革を柔らかくします。
これにより、次の修復工程がスムーズに進みます。
革用のパテ(フィラー)を使う
革の削れた部分を埋めるために、革用のパテやフィラーを使用します。
- フィラーを傷に塗り込む:指やヘラでフィラーを傷に塗り込み、表面を平らに整えます。
- 乾燥させる:フィラーを完全に乾燥させます。通常、1~2時間ほどかかります。
- 軽くサンディング:乾燥後、目の細かいサンドペーパーで軽く磨いて表面を滑らかにします。
カラーレザークリームで色を整える
傷を修復したら、靴の色に合ったカラーレザークリームを使って色を整えます。
フィラーを塗った部分に色が馴染むよう、薄く何度か重ね塗りを行い、最後にブラッシングして仕上げます。
深い傷や穴の修復方法
革に深い切り傷や穴ができてしまった場合、専門的な修理が必要になることがありますが、自分である程度の修復を行うことも可能です。
レザーパッチやレザーボンドの使用
深い傷や穴を埋めるために、レザーパッチやレザーボンドを使う方法があります。
- 傷や穴を清掃する:まず、傷や穴の周りを綺麗に拭き、汚れを取り除きます。
- レザーボンドを塗布する:傷の内部にレザーボンドを塗り、革の切れ端を接着します。
- レザーパッチを使用する(必要に応じて):穴が大きい場合は、同色のレザーパッチを内部から貼り付けることで補強します。
- 乾燥させる:接着剤が乾燥するまで待ちます。完全に乾いたら、周りを軽く磨いて滑らかにします。
レザーペイントで色を整える
修復後は、レザーペイントを使って傷部分の色を整えます。
靴の元の色に近いペイントを選び、薄く何度か塗り重ねます。
乾燥後、レザークリームで仕上げると、自然な仕上がりになります。
メンテナンスのコツ
切り傷を修復した後は、定期的なメンテナンスが必要です。
以下のポイントを意識してケアしましょう。
定期的な保湿
革靴は乾燥すると傷ができやすくなるため、レザークリームを定期的に使用して保湿を行いましょう。
特に乾燥しやすい季節や頻繁に履く場合は、月に1~2回程度のケアが推奨されます。
適度な防水対策

革靴には適度な防水対策を施すことで、革が柔らかく保たれ、切り傷ができにくくなります。
防水スプレーを使用する際は、スプレーの種類や頻度に注意し、革に負担をかけすぎないようにしましょう。
傷が深刻な場合はプロに依頼
自分で修復できないほど深刻な傷がある場合は、専門の靴修理店に依頼するのが最も安全です。
プロの手による修理であれば、見た目も美しく修復でき、靴の寿命も長くなります。
革靴に切り傷ができたときは、適切な修復方法を用いることで、傷を目立たなくし、靴を長く愛用することができます。
傷の程度に応じた対策を行い、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
以上、革靴に切り傷が入ったときはどうすればいいのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。